Posted 2020-02-11 19:14:11 GMT
今年は移植したSRFIでもQuicklispに登録してみようかなと思って、Quicklispに三つ四つ登録してみましたが、「登録するは良いけどユーザーいるの?(大意)」という質問がありました。
SRFIのCommon Lispへの移植は90近くあるのですが、いうまでもなくどれも誰得なものなので、まあそうだよなーなど思ったりしていましたが、こういう誰得なものにはUltralispが合っていると思うと教えてもらったので、Ultralispに登録してみることにしました。
Ultralispは、Quicklispの仕組みを利用していて、“dist”の一つという位置付けです。
(ql-dist:install-dist "http://dist.ultralisp.org/" :prompt nil)
で利用できるようになりますが、登録後には“dist”が増えていることが確認できます。
(ql-dist:all-dists)
→ (#<ql-dist:dist quicklisp 2019-12-27> #<ql-dist:dist ultralisp 20200126195012>)
Ultralispの売りは、“dist”を五分毎に更新するので、登録から利用までが非常に早いのと、GitHubのリポジトリを管理画面からポチポチ登録すれば、登録は完了という手軽さのようです。
ちなみに別段Quicklisp本家が俺んちルールでやっているということではなく、各distには管理者がいて、Quicklispのデフォルトの“quicklisp” distにも管理者のポリシーがある、ということで適宜棲み分けするのが宜しかろうというところでしょうか。
暗黙のポリシーも含めてリストにするとこんな感じでしょうか。
“quicklisp” dist | “ultralisp” dist | |
---|---|---|
dist更新 | 約一ヶ月毎 | 五分毎 |
登録基準 | SBCLでビルドできるか | 特になし |
除外基準 | SBCLでビルドできなくなったら | 特になし |
現状、Common Lisp界はSBCL一強になりつつありますが、SBCLでビルドできなければ、“quicklisp” distには載らないんだよなーというのは、まあまあ耳にする話だったので、そういう点も“ultralisp”と“quicklisp”の棲み分けの基準になるかもしれません。
また、Ultralispの登録の手軽さを活かして、とりあえずUltralispに登録して暫く運用し、手応えがあったらQuicklispに申請するというのも良さそうです。
特に“quicklisp” distと変わらないですが、手軽に早く登録できるので、複数環境で自作ライブラリを利用するのはかなり手軽になります。
その代わりといってはなんですが、登録レポジトリのコードを壊しちゃたりした場合でも、素早くそのまま流れていくので注意が必要かなと思います。
(素早く修正すれば良いとはいえ)
こんなUltralispなので登録ライブラリはQuicklispのデフォルトより多いんだろうと思いきや現在1253ということでquicklispの約1800より少ないようです。
“quicklisp” distから“ultralisp” distへの取り込みも進んでいるようなのでそのうち包含するのかもしれません。
ちなみにそもそものきっかけになったSRFIのCommon Lisp移植版ですが、ボチボチUltralispに登録しています。
srfi-2やsrfi-19等便利なものも案外あるので折角なのでUltralisp経由で活用していきたいと思います。
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