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Boizumault本のMini-Prolog-IIでZebraベンチ

Posted 2017-06-02 15:16:36 GMT

先日退職し、またも無職となったが、同僚から餞別でPatrice Boizumault氏のThe Implementation of Prologを頂いた。
これ前から欲しかったので非常に嬉しい!。ありがたや!!。

この本は、タイトル通りPrologを実装していこうという本で、出版は1993年と古いが、WAMベースなPrologをCommon Lispで実装しようというのが、筆者的には魅力の本。

この本のコードはCMUのAIリポジトリにあるので、本はまだ読んでいないが、とりあえずどんなものか動かしてみることにした。

ファイルを展開すると色々とファイルがあるが、Prologの実装の本なので順を追って複雑になっているらしい。
Mini-Prolog-IIが最終版のようなので、こちらを動かすことにする。

$ cd microPrologII/
$ make

とすると、V4.lspというファイルができる。
540行目付近で;の付け忘れがあるので修正しよう。

544c536
<           (push_cont)                 ; saves current cont.
---
>           (push_cont) saves current cont.

さて、このファイルを実行すると

Mini-PrologII

; Loading text file /l/src/rw/mini-prolog-ii/mlg.Start /l/src/rw/mini-prolog-ii/mlg.Start

| ?-

のように初期化ファイルを読み込んでPrologが開始される。S式PrologではなくDEC-10 Prolog文法らしい。

| ?- conc([a,b,c],Xs,[a,b,c,d,e,f]). % conc = append
xs = [d,e,f]
no More

Zebraベンチを走らせる

とりあえず動いたが、ファイルを読み込ませる方法が分からないので、とりあえずLisp側から読み込ませてみることにした。

(defun mp2-load (file)
  (let ((*readtable* mini-prolog-ii::*mini-prolog-ii-readtable*)
        (*package* (find-package :mini-prolog-ii)))
    (load file)))

(mp2-load "zebra.mpl")

という風に読み込ませる。

ベンチのコードは、下記のようにしたが、これまで測定に利用してきたAllegro PrologのページのものをMini-Prolog-IIで動くように調整したもの。

% -*- Mode: prolog -*-
%
% This file for benchmarking against Mini-Prolog-II.
%

$ member(Item, [Item|_]). $ member(Item, [_|T]) :- member(Item, T).

$ nextto(X, Y, List) :- iright(X, Y, List). $ nextto(X, Y, List) :- iright(Y, X, List). $ iright(Left, Right, [Left, Right | _]). $ iright(Left, Right, [_ | Rest]) :- iright(Left, Right, Rest).

$ zebra(H, W, Z) :- eq(H,[house(norwegian, _, _, _, _), _, house(_, _, _, milk, _), _, _]), member(house(englishman, _, _, _, red), H), member(house(spaniard, dog, _, _, _), H), member(house(_, _, _, coffee, green), H), member(house(ukrainian, _, _, tea, _), H), iright(house(_, _, _, _, ivory), house(_, _, _, _, green), H), member(house(_, snails, winston, _, _), H), member(house(_, _, kools, _, yellow), H), nextto(house(_, _, chesterfield, _, _), house(_, fox, _, _, _), H), nextto(house(_, _, kools, _, _), house(_, horse, _, _, _), H), member(house(_, _, luckystrike, oj, _), H), member(house(japanese, _, parliaments, _, _), H), nextto(house(norwegian, _, _, _, _), house(_, _, _, _, blue), H), member(house(W, _, _, water, _), H), member(house(Z, zebra, _, _, _), H).

% This runs the query a single time: % ?- zebra(Houses, WaterDrinker, ZebraOwner). %

$ zebra1(Houses, WaterDrinker, ZebraOwner) :- zebra(Houses, WaterDrinker, ZebraOwner), !.

$ zebran(X,X). $ zebran(N,Limit) :- zebra1(Houses, WaterDrinker,ZebraOwner), plus(N,1,N1),!, zebran(N1,Limit).

実は、調整したといいつつ、Mini-Prolog-IIは匿名変数の_をサポートしていないらしい。
シンボル名が被らないように記述すれば良いが面倒なので処理系を改造することにした。
といっても簡単な改造で、_シンボルだったら(gensym)するというだけのもの。

(defun read_atom (ch)                   ; next normal symbol
  (do ((lch (list ch) (push (read-char) lch)))
      ((not (alphanum (peek-char)))
       (let ((sym (implode (reverse lch))))
         (if (string= "_" sym)
             (gensym "_")
             sym)))))

これで匿名変数がちゃんとサポートできているのかは良く分からないが、とりあえず上手く動いているようだ。

| ?- zebra1(Houses,WaterDrinker,ZebraOwner).
zebraowner = japanese
waterdrinker = norwegian
houses = [house(norwegian,fox,kools,water,yellow),
          house(ukrainian,horse,chesterfield,tea,blue),
          house(englishman,snails,winston,milk,red),
          house(spaniard,dog,luckystrike,oj,ivory),
          house(japanese,zebra,parliaments,coffee,green)]
no More

計時

備え付けで、cputimeというものがあるが測定しづらいので、timeという単なる時間を取得する述語を作成し時刻差を計算することにする。

繰り返しには、zebranという任意の回数繰り返すものを作成し利用してみた。
しかし、18回以上回すとオーバーフローするので、15回位の繰り返しとし、1000回繰り返した場合の予測とする。

Allegro Prologと比較したいので、計時プラットフォームはAllegro CL 8.2。

time(S),!,
zebran(0,15),!,
time(E),!,
minus(E,S,Time),!.

を実行すると、15回で大体470msなので、1000回回したら31秒という所だろうか。

過去にZebraベンチを同じ条件で計時したことがあるが、PAIPrologが11秒だったのでその3倍位になる。

最適化宣言をして、それだけで速くなったら儲け物なので、次に下記のような宣言をし、

(declaim (optimize (speed 3) (safety 0) (debug 0) (compilation-speed 0)))

再度計時してみたが、これだけで12.4秒位までは速くなった。大体PAIPrologと一緒のタイムだ。

ちなみに、SBCLでは、10秒、LispWorksでは11秒と若干速くなるらしい。

結び

AZ-Prolog並のスピードを出すAllegro Prologは、PAIPのPAIPrologをチューニングしたものがベースになっているが、元のPAIPrologもまあまあ速いようだ。

Mini-Prolog-IIをいじって高速化できたら楽しいので、The Implementation of Prologを読んでPrologの実装について勉強することにしよう。

なお、今回の計時で利用した一式はGitHubに置いてみてある

関連記事


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Common Lispのお宅拝見: CMU Common Lisp篇

Posted 2017-06-01 07:09:45 GMT

今回は、CMU Common Lispのcl-userを眺める。

現在でも開発が続いているCommon Lispの処理系の系列としては、CMU Common Lisp(CMUCL)は、1980年あたりのSpice Lispから連綿と続いており、もうすこしで40年になろうとしている。
CMUCLからフォークしたSBCLの方が現在は開発・利用とも活発だが、この系統はCLtL1がSpice Lispのマニュアルを下敷として作成されていたり、Common Lispの歴史と関係が深い。
他にCMUCLからフォークしたものとしては、商用処理系のScieneer Common Lispがあり、こちらはSBCLと同じく64bit化もされている。

cl-userパッケージの構成

さて、cl-userの構成だが、拡張ユーティリティのextentions(ext)パッケージをuseしている。
extパッケージは、便利関数・マルチプロセッシング・拡張機能等で250位の関数・変数が定義されている。

古くからあるものを一つ紹介するとcollectのようなものがある。

(collect ((acc '(-1)))
  (dotimes (i 10)
    (acc i))
  (acc))(-1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9)

また、CMUCLは、double-doubleというdoubleを二つ使って精度を高めた浮動小数点数形式をサポートしているので、そのあたりの定義がある。

(let ((*read-default-float-format* 'double-double-float))
  (read-from-string "3.14159265358979323846264338327950288419716939937511"))
→  3.1415926535897932384626433832795w0
    52

また面白いのが、2000年代位にAllegro CLの機能を取り込んでいて、階層パッケージがあったり、古くからあるencapsulateを土台としてAllegro CL互換のAdvice機構(fwappers)を構築したりしているらしい(fwrappersはextパッケージにはなく別パッケージ)

さて毎度確認しているtruefalseだが、CMUCLにも実装されていなかった。あれれ。

結び

Common Lisp誕生時から存在する、というか元になったものの一つであるSpice Lispの系統が未だに一番人気があるというのも面白い。


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Common Lispのお宅拝見: Kyoto Common Lisp篇

Posted 2017-05-30 12:55:12 GMT

今回は、Kyoto Common Lispのcl-userを眺める。

MACLISP系方言をまとめようというのがCommon Lispの発端であったが、それ故MACLISP系方言に親しんだ人達には暗黙の前提があり作られた処理系にはそれが反映されていた。
Kyoto Common Lisp(KCL)は、新規に開発されたため、そのようなCommon Lisp仕様の暗黙の前提を洗い出し、より堅実な仕様を作ることに貢献したとされている。

そんなKCLだが、KCLからは沢山の支流があり、現在も活発なものの代表例としては、Embeddable Common Lisp(ECL)と、GNU Common Lisp(GCL)位だろうか。
GCLは、KCLからAKCLとなり、そこからGNUに渡った系譜で、ANSI CL化はされないままMaxima等の基盤として現在でも利用されているが、gmpを取り込んだりして開発体勢は死んでいないらしい。
また、ECLは、ANSI CL化された系統でUnicode化もされている。ManKai CL(MKCL)はECLからのフォークでECLに対して独自の味付けをしている、という所だろうか。

cl-userパッケージの構成

さて、cl-userの構成だが、KCLはCLtL1なので、userの構成の述べる。
userの構成は非常にシンプルで、lispをuseしているだけというもの。

ECLはANSI CL化されているが、こちらのcl-usercommon-lispをuseしているだけ。

MKCLは少し独自色があり、mkclパッケージをuseしていて、str+等独自なユーティリティが定義してある。

(str+ "foo" "bar" "baz")
→"foobarbaz"

(make-sequence 'octets 10)
→ #(0 0 0 0 0 0 0 0 0 0)

(type-of (make-sequence 'octets 10))(vector natural8 10)

GCLは、defpackageパッケージをuseしているが、CLtL1にはdefpackageがなかったので、別途defpackageが定義されたパッケージをuseしている。若干ANSI CL化されているとも言えるだろう。

さて毎度確認しているtruefalseだが、KCL系には実装されていなかった。ちょっと残念。

結び

KCL系は何の味付けもないcl-userという結果だったが、KCLらしいといえば、そうなのかもしれない。


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Common Lispのお宅拝見: Clozure Common Lisp篇

Posted 2017-05-17 15:54:53 GMT

今回は、Clozure Common Lispのcl-userを眺める。
Clozure CLの系統の歴代の処理系を眺めてみたが、どうやら、cl-userの構成は、Macintosh Common Lisp 2.0(1991)で大まかな所が決まったようだ。

Clozure CLの系統の大まかな流れとしては、1987年にCoralがCoral Common Lispを発売し、間も無くFranzと共同で販売することになり年内に、Macintosh Allegro Common Lisp(MACL)となる。

1991年にMCL 2.0となるが、この頃の販売元はAppleで、言語仕様は、この頃出版されたCLtL2を追い掛けたものとなっている。

CLtL1の仕様では、基本パッケージとして、lispusersystemが必須だったが、ANSでは、common-lispcommon-lisp-userとなり、systemは必須ではなくなった。
名前が変更になった理由は、CLtL1仕様とそれ以降の仕様を一つのイメージに同居させるため等々だったようだが、実際には、lispパッケージをclパッケージという名前にしてしまうことが多かったようだ(Allegro CL、LispWorks等)。

しかし、MCLでは、このLISP-PACKAGE-NAME:COMMON-LISPにきっちり対応したようで、MCL 2.0でばっさりとlispuserを廃止して新しい名前にし、旧パッケージは、(require 'lisp-package)で読み込むようになっている。
(なお、これは現在のClozure CLでも同じ。)

関数の仕様の変更もしっかり反映しているので、

(cl:functionp 'list)
→ nil

(lisp:funcionp 'list) → t

のようにLISP-PACKAGE-NAME:COMMON-LISPで検討されていたことが、そのまま実現できている。

このように対応した処理系は、MCLの他にSymbolics CLがあるが、現在CLtL1時代のコードを動かそうとすると、きっちり分かれていた方が可搬性が高いようだ。

当時は移植性を考えてずるずるとlispclと移行した処理系が多かったのだと思うが、結局、前後の仕様が混ざる結果となり、移植性が損なわれることになったように思える。

ちなみに、1.0系統で利用されていたDresher氏が設計したオブジェクトシステムのObject LISPは削除されMCL 2.0からCLOSが搭載されることになった。

cl-userパッケージの構成

さて、CCL系統がdefpackageした時にデフォルトでuseされるパッケージは、clccl

(defpackage :foo)
→ #<Package "FOO">

(package-use-list :foo)(#<Package "CCL"> #<Package "COMMON-LISP">)

cclパッケージは、もともとcoral clの略なのだと思うが、MCL時代もそのまま使われ続け、さらに、Open MCLが処理系名を変更する際には、cclを活かしてClozure CLとしたので原点回帰した。

そのcclパッケージだが、700〜1000を越えるシンボルがエクスポートされている。
古くからある他の処理系と同じく、かなりのごった煮パッケージだが、ユーティリティや処理系拡張が占めている。
さらにMCL時代は、FREDというEmacsが同梱されていて、これがcclパッケージにいるので、これが大分大きくしているようだ。

MCL 2.0位の時期は、処理系拡張はとにかくcclパッケージに入れるという感じだったようだが、Clozure CLでは、多少分別されるようになったらしい。

また、今回も恒例のユーティリティに定義されていることが多いtruefalseの調査を実施。
確認できる限りでも、Macintosh Allegro Common Lisp 1.2.2(1989)時代からCCLパッケージに存在するらしい。

(mapcar #'true lambda-list-keywords)(t t t t t t t t)
(mapcar #'false lambda-list-keywords)(nil nil nil nil nil nil nil nil)

結び

現在のClozure Common Lispの源流であるCoral Common Lispが登場してから30周年らしい。
Spice LispがIBM RT PC上のMachに移植されCMU Common Lispとなったのが1987年、Allegro CLの最初の実装(TEK Common Lisp)が1986年、最初のCLISPが登場したのが1987年、のようだが、現在も生き残っている処理系が続々と30周年を迎えている。
そもそも生き残っているというのが凄いが。


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Common Lispでローカル定数の構文

Posted 2017-05-15 16:31:37 GMT

C#にもローカル定数の構文が導入されるとのことだが、Common Lispにも欲しいという声を目にしたので、ちょっと試しに作ってみた。

(defmacro const (var)
  `((lambda () ,var)))

(defmacro ket ((&rest binds) &body body) (loop :for (var val) :in binds :for gvar := (gensym (string var)) :collect `(,gvar ,val) :into gs :collect `(,var (const ,gvar)) :into cs :finally (return `(let (,@gs) (symbol-macrolet (,@cs) ,@body)))))

const構文にあまり意味はなく、直接lambdaを書いてしまっても良いが、気分的に定義してみた。

(defun fib (n)
  (declare (optimize (speed 3) (safety 0) (debug 0) (hcl:fixnum-safety 0))
           (type fixnum n))
  (ket ((n n))
    (if (< n 2)
        n
        (+ (fib (1- n))
           (fib (- n 2))))))

こんな感じに書いてもコンパイラが最適化してくれるので、ketは無かったことになることが多いだろう(少なくともLispWorksではそうなる)

(defun fib (n)
  (declare (optimize (speed 3) (safety 0) (debug 0) (hcl:fixnum-safety 0))
           (type fixnum n))
  (ket ((n n))
    (if (< n 2)
        n
        (+ (fib (decf n))
           (fib (decf n))))))

こういうのはマクロ展開時にエラーになる。

このketは、定数を宣言しているのではなく、setfsetqでエラーを起すようにしたもの。

(let ((x 42))
  (setf (const x) 42))

でエラーになるようにしたと考えれば判り易いだろう。
それ故、setfsetq時のエラー内容は全く定数云々の件とは異なるので、この辺りに手抜き感が漂う。

defconstantを使うものに展開するという手もあるが、defconstantはトップレベルに置かないと上手く機能せず、そこをコードウォークでやりくりするにしても色々面倒なので、まあこの辺りで手を打ってみた。

ちなみに、ローカルな定数構文の提案は、Common Lispの仕様策定時にはあり、1987年にlet-constant/constantletという代物が提案されている。
(declare (constant foo))のような宣言も提案されていたようだが、しかし、紆余曲折でどこかに行ってしまったようだ。

結び

やっぱりコンパイラで対応してくれないときびしい。


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Common Lispのお宅拝見: Xerox Common Lisp篇

Posted 2017-05-09 21:09:29 GMT

今回は、Xerox Common Lisp(Medley3.5)のxcl-userを眺める。
Medleyは、XeroxのLispマシンであるInterlisp-Dマシンの仮想マシン版。
Interlisp-DマシンもCommon Lispの普及に応じて取り込んだため、Common Lispも使えるのだった。
Interlisp-Dで実装されているため、マクロ展開などではInterlisp-Dの関数等が見えてたりして中々面白い。

2002年の時点では、$400から$2000位で各種環境が販売されていたようだが、現在ではどうなのだろうか。

Medleyの導入については過去に幾つか書いているので興味のある方は参照されたい。

さて、Medleyは、ANSI CL化以前という所なので、ユーザーのホームパッケージは、cl-userではなく、userである。
しかし、Xerox CL(XCL)では、xcl-userというのを用意してこちらをデフォルトにしているので、今回は、こちらを紹介することにする。
ちなみに、userは、lispをuseしているだけのパッケージとして用意されてはいる。

(package-use-list :xcl-user)
→ (#<Package LISP> #<Package XEROX-COMMON-LISP>) 

となっている。

xerox-common-lisp(xcl)パッケージは、大体180位のシンボルで、大抵の処理系と同じく、マルチプロセス等の拡張機能、ユーティリティで占められている。
ANSI CL規格以前にはdefpackageは無いが、xclパッケージには用意されているので試してみると、

(defpackage :foo)
→ #<Package FOO>

(package-use-list :foo)(#<Package LISP>)

となり、lispパッケージがuseされるのみ。

ざっと眺めて面白そうなユーティリティを紹介してみると、

XCL:WITH-COLLECTION

SBCLなどにもあるリスト集積のユーティリティ

(with-collection
  (collect 'x)
  (collect 'x))(x x)

XCL:DESTRUCTURING-SETQ

destructuring-bindもCLtL1には存在しなかったが、xcl:destructuring-bindと一緒にsetq版も定義されている。

(let (a d)
  (destructuring-setq ((a . d)) '((1 . 2)))
  (list a d))(1 2)

また、今回も非常にどうでも良い所ではあるが、ユーティリティに定義されていることが多いtruefalseを調べてみた。
XCLには存在したが、もしかしたらCLtL1な処理系でお馴染だったのかもしれない。

(mapcar #'true (il:for i il:from 1 il:to 20 il:collect i))(t t t t t t t t t t t t t t t t t t t t) 
(mapcar #'false (il:for i il:from 1 il:to 10 il:collect i))(nil nil nil nil nil nil nil nil nil nil) 

結び

そういえば、Interlisp-Dといえば、LOOPSなのだが体験できる環境がなく試せていない。
実機のディスクイメージは多数公開されているので、Medley以外でエミュレータが実現されればもしや使えるかも……。


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Common Lispのお宅拝見: Allegro Common Lisp篇

Posted 2017-05-09 06:00:20 GMT

今回は、Allegro Common Lisp 10.1のcl-userを眺める。
Allegro CLもLispWorksと同様に様々なプラットフォームで稼動しIDEも付属するが、LispWorksと違ってGUI環境のパッケージは別になっていて、CUIの時は通常読み込まれない。
とりあえず、cl-userの中身を確認してみると、

(package-use-list :cl-user)
→ (#<The COMMON-LISP package> #<The EXCL package>) 

となっている。
GUI環境では、cl-userではなく、cg-userがホームパッケージとなり、cgパッケージがこれに加わる。

このexclパッケージがかなり大きく、シンボル数735、そのうち関数513、変数53というごった煮ユーティリティパッケージとなっている。

defpackage時でオプションを省略した場合のデフォルトでは、clしかuseされず、割合に素直な印象。
とはいえ、結局処理系ごとにまちまちなので、(:use :cl)と明示的に書くことになるのだが。

(defpackage :foo)
→ #<The FOO package>

(package-use-list :foo)(#<The COMMON-LISP package>)

ちなみに、exclいうのはExtended Common Lispの略で、Allegro CLの元の名前である。
Allegro CLは、Tektronix 44xxシリーズで稼動するCommon Lisp処理系(TEK CL)として誕生したが、Franzの内部的には、Extended CLとしていたらしい。

その後、Macintoshで稼動するCoral CLをFranzが共同で販売した際に、Macintosh Allegro Common Lispとし、その後、既存のExCLもAllegro CLと名称が変更になった。

閑話休題。Allegro CLのcl-userパッケージの特徴だが、正規表現ライブラリがデフォルトの状態で使えたりすることだろうか。

(re-let "(.*)\\s+(.*)\\s+(.*)" "foo bar baz"
        ((x 3) (y 1) (z 2))
  (list x y z))

("baz" "foo" "bar")

正規表現がデフォルトのcl-userで使える処理系というのは案外少ない。筆者が知る限りというか唯一かもしれない(CLISPもそうかと思ったがregexpパッケージはuseされていないようだ)。

その他は、LispWorksと同じくCLtL1時代からのユーティリティが多数定義してある。
ここ数年マルチスレッド対応が徹底してきた為、exclパッケージはさらに肥大したようだ。

また、今回も非常にどうでも良い所ではあるが、ユーティリティに定義されていることが多いtruefalseを調べてみたが、意外にもエクスポートされていなかった。
筆者が定番と思っていただけだったかもしれない……。

(mapcar #'excl::true (loop :repeat 20 :for i :from 1 :collect i))(t t t t t t t t t t t t t t t t t t t t) 
(mapcar #'excl::false (loop :repeat 20 :for i :from 1 :collect i))(nil nil nil nil nil nil nil nil nil nil) 

結び

Allegro CLの‘excl’のように処理系独自のユーティリティパッケージは非常に面白く、詳細に眺めてみたい所なのだが膨大できりがない。
なんとかコンパクトにまとめられると良いのだが……。


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Common Lispのお宅拝見: LispWorks篇

Posted 2017-05-07 15:23:16 GMT

Common Lispを利用する上で普段何気無く利用しているcl-userだが、実は処理系毎にユーティリティの充実度等が結構違っている。
そこで、ホームパッケージであるcl-userパッケージを処理系毎に観察してみよう。

今回は、LispWorks 7.0 を眺める。
LispWorksは様々なプラットフォームで稼動するのでプラットフォーム依存な所はあるのだが、cl-userのが取り込んでいるパッケージは下記の通りで、LISPWORKS(lw)とHARLEQUIN-COMMON-LISP(hcl)を取り込んでいる。

(package-use-list :cl-user)

→ (#<The COMMON-LISP package, 2/4 internal, 978/1024 external> #<The HARLEQUIN-COMMON-LISP package, 0/8 internal, 353/512 external> #<The LISPWORKS package, 0/4 internal, 224/256 external>)

defpackageした際に:useを省略するとデフォルトのパッケージが取り込まれるが、上記3つが:useされるのがLispWorksの標準。

ちなみに、Harlequin Common LispというのはLispWorksを元々作っていた会社がHarlequinということに由来する。
Harlequin社は、〜Worksという名前で製品を作ることが多かったが、元々は、Harlequin CLを中心とした開発環境がLispWorksということだったらしい。

lwパッケージとhclパッケージの使い分けが判然としないが、hclパッケージの方がCLtL1時代からのユーティリティが多い気がするが、lwhclを合せて600近くのシンボルがあるので、結構ごちゃごちゃしているなあという印象はある。

これらユーティリティで有名なところでは、when-letif-letwith-unique-namesrebindingsplit-sequence辺りだろうか。
with-unique-namesは、with-gensymrebindingonce-onlyとして知られているマクロだが結構見掛けることは多いかと思う。
split-sequenceはQuicklispにもあるユーティリティと同名だが、LispWorksがオリジナルなのかもしれない(とはいえ微妙に仕様が違う)

また、オリジナルのloopにあったユーザー定義の構文がデフォルトで使えるので、

(define-loop-macro for)
(define-loop-macro repeat)
(define-loop-macro with)

(for i :from 0 :repeat 10 :collect i) ;=> (0 1 2 3 4 5 6 7 8 9)

こんなこともできるし、さらにユーザーがデータ型の処理方法を任意に定義することもできる(defloop等)

また、非常にどうでも良い所ではあるが、ユーティリティに定義されていることが多いtruefalseも用意されている。

(mapcar #'true (repeat 20 :for i :from 1 :collect i))
;=> (t t t t t t t t t t t t t t t t t t t t) 
(mapcar #'false (repeat 10 :for i :from 1 :collect i))
;=> (nil nil nil nil nil nil nil nil nil nil) 

Common Lispにはconstantlyがあるので不要に思えるのだが、用意している処理系は結構ある。

結び

以前から、処理系ごとにcl-userを比較してみていたが、これまで資料は貯めていたものの何故か書いたことがなかった。
今後、暇潰しに他の処理系についても書いてみるつもりである。


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Lisp本積読解消: 素数夜曲―女王陛下のLISP: B.5.3 構文の拡張

Posted 2017-05-07 07:04:39 GMT

今回は、素数夜曲―女王陛下のLISPのマクロの箇所を読む。
本書は、数学の本なのだが、Lisp(Scheme)についての内容が半分を越えるということで知られているらしい。
マクロの解説もあったので眺めてみた。

B.5.3 構文の拡張

著者は、例外をできるだけ少なくなるようにプリミティブまで分解した結果、利用者がプリミティブを組み合せて目的の物を作るというScheme流のスタイルが生れてくるという解釈をしている。
関数と残りの例外である特殊形式まで分解した結果、それらを組み合せるというマクロが生きてくる、という解釈。
綺麗な解釈だとは思うが、正直考え過ぎかなと思った。
ただ、Lispマクロは特殊形式を減らそうというのが出自であったので、著者の考えと順番は逆にはなるが、プリミティブに分解する方向では同じかもしれない。

さて、マクロの解説だが、構文の拡張の例として、ifthenelseのキーワードをつける例を紹介。syntax-rulesを用いるので特にややこしい説明はない。
次に、notandが合体したnandincdecを作る。

最後に、delayed consの構文を定義するということで、s-conss-cars-cdrを定義し、delayforceを隠蔽してみせる。
関数でも定義可能なものになっているので、何故マクロを使ったのかは分からないが、この章は構文の拡張がお題だからだろう。

結び

数学の本なのに一応Schemeマクロの解説までしてあるというのは凄いと思う。


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CL-Cleanup、CL-Compilerメーリングリストをまとめてみた

Posted 2017-05-04 07:45:45 GMT

なんとなくsaildart.orgからCL-Cleanup、CL-Compilerメーリングリストのファイルを抜き出して纏めてみた。
メーリングリストの期間や、元データ等の詳細は、ml.cddddr.orgのフロントページに記載してある。

CL-Cleanupの方は、HyperSpecの付録として配布されているので割合に目にしたことがあるかもしれない。
あのイシューを議論していたのが、CL-Cleanupだったらしい。

CL-Cleanupを眺めて興味を持ったらHyperSpecのまとめを参照してみるというのも良いかもしれない。

どうも:1をどういう風に解釈したら良いかも議論して決めたことだったらしく感心してしまう。

CL-Compilerの方も眺めてみると興味深いことが多いというか、Common Lispの理解が深まりそうな気がする。


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